耳をすませばのラストシーンの情景を探してみた。【聖蹟桜ヶ丘探訪その2】

最終更新:2016.03.27 (初:2013.11.10)

※【撮影】2013年11月

耳をすませばの舞台の町を訪ねてみた。【聖蹟桜ヶ丘探訪その1】の続きです。

『耳をすませば』のラストシーンであるビル群が見える場所を求めて歩き回ってみたのです。

【注意】聖蹟桜ヶ丘を含め、この近辺は観光地ではなく、ごく普通の【住宅地】です。訪れる際にはそのあたりを充分留意ください。

ゆうひの丘から多摩川周辺を眺めてみる。

(16)ゆうひの丘


●味のある(?)歩道を歩いていく。/公園入口。2羽の鳥が止まっているモニュメントが目印。

聖蹟桜ヶ丘駅から[桜06 聖ヶ丘団地経由永山駅行]バスに乗ることおおよそ15分。「記念館前」停留所で下車します。公園入口に向かい、記念館方向ではなく、「記念館通り」(ってか、記念館通りを歩いても記念館にはいけない。ややこしい!)を歩いていきます。


●屋根付きのベンチ&テーブルがある/石碑になってるところが素敵。

10分位歩くと右に2匹の鳥が止まっているモニュメントがあるので、そこから公園の中に入っていきます。


●「ゆうひの丘」まさしく丘の上という感じの眺望。景観案内板もある。ここから関戸橋周辺を見渡せる。

公園の一番先が「ゆうひの丘」と呼ばれる場所です。ここはまさしく丘という感じの場所で、前をさえぎるものもなく見晴らしは抜群です。都心方面は見えませんが、ラストシーンに近い雰囲気の場所の一つだと思います。夜景ポイントとしても知られているらしく、ちらほらと人がいたりします。ゆうひの丘というだけあって、綺麗な夕焼けが見えるんでしょうか?

ここは「公園」で、ベンチや芝生もあるのでゆっくり景色が見られるのがいいのです。


●多摩川をわたる京王線をアップで。

関連:旧多摩聖蹟記念館


●この建物は歴史的価値があるらしい。

旧多摩聖蹟記念館にも行って来ました。馬に乗った明治天皇の銅像と、いろんな資料が置いてあります。昔(江戸時代?)の風景を描いた絵巻が面白かったです。多摩川に橋はなく、渡し舟だったんですね。

てっぺん丘から愛宕団地を眺めてみる。

(17)てっぺん丘

120段の階段を登った先に、丘はあります。


●この鉄塔が目安。そして、この階段は120段もあるが登る価値はある。/「てっぺん丘」自体は、実際は階段の入口で丘という雰囲気ではない。

聖蹟桜ヶ丘駅から[桜06 聖ヶ丘団地経由永山駅行]バスに乗ることおおよそ20分。バスは坂道をぐんぐん登っていき、どこかの山の中を走ってるんじゃないかと錯覚するようなところを抜けていきます。そして、「東部団地」停留所で降りた、その近くにてっぺん丘と呼ばれているらしい場所があります。


富士山と町並み/まるで街がオモチャ箱!。

バス停を降りたら少し歩くと120段(!)にも及ぶ長い階段があります。その階段を登りきったその場所がてっぺん丘と呼ばれる場所っぽいです。(看板とかなかったので確認は出来ませんでした。)この近辺では自転車のりの方をよく見かけます。確かにここら辺を自転車で走ったら気持ちよさそうです。

丘からは愛宕団地が一望できるのです!


●愛宕団地の方を眺めてみる。あの水道塔が眼下に見える!。

ここからの見晴らしもまた素晴らしく、桜ヶ丘〜愛宕団地を一望できます。ラストシーンの場所と言われたのもなんとなく分かります。都心方面は見渡せず多摩川方面も厳しいと思うので場所や景観的には違うと思いますが、高度といい雰囲気といいそっくりだと思います。ってか、自分の団地を遠くから見せるってのは、それはそれでナイスシチュエーションかもしれないです!?

みはらし緑地から都心を眺めてみる。

(17)連光寺給水所・みはらし緑地

全国に400か所しかないレアもの...『一等三角点』


●一等三角点。レアもの。/見えているのはほんの一部で、大半は土の中だそうです。

てっぺん丘の階段を上がりきると道が通っているので右に曲がり、しばらく行くと「八坂神社」があります。その敷地内にあったのが「一等三角点」です。タモリの番組でそういうものがあることは知っていましたが、実物を見るのは初めてです。三角点のそばには、一等三角点は全国で400箇所という説明書きがされていましたが、実際は補点も含め1,000程度あるそうです。そして、隣には「多摩市最高地点・標高161.7m」の看板が。どうやら、ここが近辺で一番高いところらしいです。実際、神社から見える風景はよかったです。(木が生えているので視界はあまりよくない。)

高台を結ぶ橋と、2連水道塔


●この辺りは両脇の高度が低いのでまさしく浮いている感じ。/崖に立つ二連水道塔。これをラストシーンの水道塔と言う人もいる。

更に先に歩いていくと天空回廊少し長めの橋が見えてきます。ここら辺は周りの土地が低いこともあって、空中を歩いている気がするかもしれない場所かもしれません。実際歩いているとけっこう気持ちいいです。そこを歩いていると見えてくるのがふたご水道塔(連光寺給水所)です。風景もよさそうですが、周りは立ち入り禁止なので、てっぺん丘で我慢です。実はこのふたご水道塔、桜ヶ丘からでも見えたりします。


●この灰色具合が映画そっくりらしい。/「みはらし緑地」にあるローラーつき滑り台。ローラー付きは憧れだったので滑ってみたら...お尻が痛かった(笑)。

この水道塔をラストシーンの水道塔という人もいるようです。崖っぷちに立っているのでモデルになってるかもしれませんね。さらに進むと「みはらし緑地」という、そのままな名前の公園があります。(夜7時以降の利用は禁止と書かれている。)ここも遠景が見える場所です。

みはらし緑地からは、都心のビル群を見ることができるのです。


●条件がよければ都心方面がばっちり見える。肉眼では厳しいが、ズームを使えばスカイツリーや東京タワーも見ることができる。

条件が最高ならば、「みはらし緑地」にある小さな丘から、東の丘越しに都心を一望することができます。この小さな丘は木に囲まれているのですが、都心の方向だけ木が植えられていないんですよね。設計されているとしか思えません。

一応、よみうりランドの観覧車や(肉眼では厳しいが)スカイツリーや東京タワーも見る事ができます。手前に丘やマンションがあるので、映画のような見通しはあまりないのです。でも、この風景こそが見たかった風景。とてもうれしかったのです。

百草団地・三沢配水所近辺から都心を見てみる。

(18)百草団地

小さな四角が繋がったようなデザインの団地が多いのです。

聖蹟桜ヶ丘駅から[高22 百草団地経由高幡不動駅行]バスに乗ることおおよそ20分。百草センター停留所で下車すると百草団地があります。(【補足】百草センターへは高幡不動駅からの方が、帝京大学行きのバスも使えるので便がいいです。)


●普通のタイプの団地。このタイプは少ない。/四角いブロックをつなげたようなタイプ。これが主流。

百草団地は特徴のある(?)団地で、いわゆるふつーの長方形の団地は少なく、殆どの建物が小さな四角い建物をつなげたようなデザインになっています。


●この変わった(?)デザインは傾斜地に建てるのに最適らしい。/四角1個しかないタイプもある。

小さい建物を繋げたデザインだと、傾斜地に建てても違和感がありません。そして、四角いブロックが1つしかない、可愛いというか贅沢(?)なタイプもあります。(この正方形タイプは他の団地でも見たことがある。なんかアクセント要素があるらしい。)

これは珍しい?坂に無理やり建設された階段状の団地、なのです。


●階段状になっている団地。これは珍しい?。/階段団地を横から。

極めつけはこのタイプで、2棟しかありませんが、なんと斜面に階段状にむりやり建ててます(笑)。斜行エレベーターが付いているような高級マンションっぽいタイプはアニメなんかでも度々描かれますが、レトロな公団タイプは珍しいかもしれません?窓などが板で覆われており、フェンスで囲まれており敷地内に入れません。これは取り壊す前の典型的なパターンなので、いずれはなくなってしまうものと思われます。

しかし、これを見るとまんま「コンクリートロード」ですね。丘を切り開いて団地を造成したのが良く分かります。

【余談】この特徴的(?)な外見ゆえ、映画では使われなかったのかもしれませんね?

三沢配水所近辺


●水道塔入口。この水道塔も高いところにある。/この水道塔も特徴がある。

団地の奥のほうにはこれまた水道塔があります。この水道塔も愛宕の水道塔同様、遠くから見ることが出来ます。


●水道塔脇の小さな丘から。百草団地を一望できる。まるでおもちゃばこ。

水道塔の脇の道を上がり、道なりに進むと右手に舗装されていない、土丸出しの細道があります。そこを登っていくと小さな緑地があり、そこから百草団地を一望できます。ってか、ここから見るとよく分かりますが、手前に広がる水道塔の敷地がやたら広いです(笑)。

更に先に進むと、都心のビル群を見ることができる場所があるのです!


●家の合間からいい景色が広がる。/更に先に進むと急な下り(写真では逆から撮ったので登り)坂がある。

水道塔近辺の道、家が数件建つその合間から、都心の方を見る事ができます。


●肉眼では厳しいが、スカイツリーらしき建物も見える。

ここは、手前の住宅とは30〜60m位の差があるらしく、まさしく「百草のてっぺん丘」といった感じなのです。橋があるという一点だけを考えれば、ラストシーンに近いかも(妄想です(笑)。)

更に先に進むととても急な下り坂があります。日常昇り降りするのは大変そうです。そこからは高幡不動駅近辺の京王電鉄車庫が見えたりするので、高幡不動駅はすぐ近くにあるのかもしれません。(歩きませんでした。)

おわりに。

位置関係が絶妙で面白かったのです。

今回、当初は聖蹟桜ヶ丘には「大栗川をひたすら歩いてみる」という目的できました。結果途中でばっちり迷い、愛宕団地停留所の辺りまで行ったりもしたのです。が、迷いながら歩いているうちに、ふと、「耳すま」というお話は、その位置関係までもが巧みに組まれているのではないか、という気がしてきたのです。今回、あえてもう一度同じ記事をリニューアルしてみようと思ったきっかけはそこにあったりします。

実際に歩いてみると、愛宕団地から図書館まで1時間。一人で歩くと辛いけど、好きな人となら楽しく歩けてしまう距離だったり。丘は中間で身近な場所だけど、なかなかいかない場所にあったり。あちこち歩いていると、いろんな地点が線で繋がっていく感じがして、それはまるでパズルを解くみたいに楽しかったです。

あと、残る謎は京玉線(京王線)ですが、やはりこれは途中から曲げて描かれていると考えるのが、自分の妄想では、一番しっくりくるかもしれないのです。

で。聖蹟桜ヶ丘駅〜ロータリーまでは、似たような人(カップルさんが多い)をぼちぼち見かけました。昔ではまるで考えられなかったです。アド街効果なのでしょうか。

街自体もかなり起伏に富んでいて、(地元の方にとっては何気ない風景なのでしょうが、)取り上げたところ以外にもいろんなところに眺めのいい、いい景色があったりしたのです。特に『(16)ゆうひの丘』は公園内という事もあり、ゆっくりできるのでお勧めなのです。

妄想上の京王線地図


●頭の中で描いた位置関係図。電車だけが実際(ピンク)と作中(オレンジ)では違うのです。団地から図書館へ歩いていくには丘を通るのが早いけど、普段は電車 or 学校経由なので丘の中を通ることはない、って一応説明できるのが、自分の中で一番しっくりする理由なのです(笑)。

大事なお話

ところで、ここで一つ大事な話があります。自分が最後に「耳すま」を見たのは実はだいぶ前なので、かなり記憶があやふやな部分があったりします。故に、今回取り上げたスポットには見当違いが多々含まれている可能性があることを最後に書いておきます。(文中にも書きましたが、当初は大栗川をひたすら歩いてみるという企画を考えていたので見直してはいなかったのです。ついでに書くと、どちらかというと興味があるのはあの都心を遠望した風景探しで...モゴモゴ。

参考資料:各スポットの標高

各場所の標高はおおよそ以下の通りらしいです。(標高がわかるWeb地図より)

「耳丘」はあの近辺では高い方ですが、近辺一帯から考えると、実はそんなに高くなかったりします。地球屋やラストシーンの場所の標高は実際の聖跡桜ヶ丘より相当高く設定されていた、あるいは、俯瞰で描かれていたのではないかと推察されます...?。

その他。


●花形のアスレチック...♪

今回散策した中でのお気に入り。これははじめてみました。川をずっと歩いていくとあります。(並木公園だったかな。)


●聖蹟桜ヶ丘→中河原駅間の車窓。百草の丘が見える。天気がよければ富士山も。

車窓の不思議。聖蹟桜ヶ丘近辺は急カーブしている関係で、聖蹟桜ヶ丘→百草駅間と、聖蹟桜ヶ丘駅→中河原駅間で、桜ヶ丘が同じような流れ方(聖蹟桜ヶ丘発なら左側)で見えるのです。同じように見えるかというと辛いのですが(笑)。

(19)京王聖蹟桜ヶ丘SC 8階連絡ブリッジからもビル群が見えます。


●角度と見晴らしは違うが、ラストシーンっぽい絵に見える気もする。/手前のビルがかなり厳しいが、都心を一望できる。

もしやと思い、聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンターの屋上に登ってみました。屋上はテニススクールとフットサル場になっていて簡単に入れなかったのですが、A館とB館を繋ぐ連絡通路があり、8階の通路は半屋上でフェンス&網越しに外が見渡せるようになっていました。そして、ビルに囲まれているながらもここから都心の風景を見ることが出来たのでした。まさに灯台下暗し、完全な盲点でした(笑)。

景色とは関係ありませんが、聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンターB館のトイレが面白かったです。たとえば、B館6階は和のトイレになっていたりするのです。

【追記】一番簡単にラストシーンのビル群の様な風景が見える場所は?

自分は行ったことがありませんが、『よみうりランド』の『観覧車』か『スカイシャトル』を使えば、ラストシーンの様なビル群の風景を簡単に見ることができるっぽいようです。いつか行ってみたいと思うのです。(情報元:出没!アド街ック天国 - 2016.5.7放送「よみうりランド」)

続・耳をすませばのラストシーンの情景を探してみた。【聖蹟桜ヶ丘探訪その3】へ続く